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じゃぁ、北朝鮮にどうするの?(敵基地攻撃論)

さて、先日の「トマホークや空爆は現実的ではない」のコメントで浜の偏屈爺氏より本エントリーに限れば日本はどうすれば現実的戦術対応になるとご主張なのでしょうかという質問があったので、これについて考えてみたい。

これは以前の専守防衛か先制攻撃かというエントリでも論じたが、純粋戦術的に考えれば、つまり物理的に発射を阻止するのであれば、陸上戦力での占領、別の言い方をすれば歩兵の銃剣で地面を穿くり返すというのが一番確実な手段になる。もしくは核兵器により焦土化するか、強力な戦略爆撃による焦土化でも可能であるかもしれない。また、常に航空機を北朝鮮上空に飛ばして常に爆撃が可能な状態を作るというのも、効果は限定されるがある程度の阻止は可能であると考えられる。この辺はアラメイン伯氏のコメントの通りであるが、しかし現状で100~200発程度のノドンミサイルを保有していると言われる北朝鮮に対して生産工場、また移動ルートの攻撃は限定的な効果しかないだろう。それはイラク、コソヴォでの戦例の通りであると考える。

戦術的に物理的な阻止をする為にはこのような手段が考えられるわけだが、戦略的に、または国家戦略的に、もしくは純粋能力上の問題としてこれらの手段には疑問が残る。日本が核武装をするというのは、今のところ現実的なオプションではないし、また大量の長距離爆撃機の保有も難しいだろう。当然、常に北朝鮮上空を制圧する事も難しいし、ましてや、陸上戦力の大規模な投入はまず不可能と考えられる。また、これから整備するにしても、予算がかかり過ぎる。

となると、ミサイルの発射を物理的に阻止するという戦略は不可能である。であれば、限定的な反撃能力によりもっと別の方法で発射を阻止しうるかというのが問題になる。つまるところ、それは抑止戦略である。

では、果たして限定的な反撃能力で抑止しうるのか、それが問題になる。まず、抑止をする為には、相手に脅威を感じさせなければならない。しかし、限定的な爆撃能力。一回の爆撃で数トン程度の攻撃能力しかないとすれば、大きな脅威にはならないのではないだろうか。例えば、その攻撃が都市を一つ消滅させるといったような威力を持つ核兵器であれば、大きな脅威になる。しかし、限定的な反撃能力ではそれは難しい。もちろん、これは心的な問題であるから、一概に予想は難しい。しかし、少なくとも物理的に発射を阻止する徹底的な攻撃ではない限定的な攻撃の場合は、相手をして脅威に感じ、ミサイル発射・攻撃を諦められる程度の能力でなければ意味がない。

しかし、ここで日本の味方にアメリカが存在する事を考えると、これが一気に現実性を帯びてくる。つまり、アメリカであれば、上手くすればミサイル発射、攻撃の物理的阻止を出来るかもしれないし、また少なくとも彼らをして脅威を感じるようにすることは出来るであろう。その意味では、アメリカを巻き込むための武力行使という考え方から、またアメリカばかりに危険な事を行わせるわけには行かないという義理から限定的な攻撃能力を持つ合理性というのは存在する。

しかしながら、それでも予算や訓練、運用上の問題はつきまとう。先日のエントリでも論じたように現在の自衛隊には金が無い。また、人も居ない。このような中で限定的にせよ敵基地攻撃能力を保有するということは大きな負担になる。確かに先日のエントリでのアラメイン伯氏の指摘のように、全面反撃にでれる軍事的なオプションを持つことが必要だというのはまったく正しい。しかし、予算も人も航空機も兵站も燃料タンクも弾薬も全てが有限である以上、難しいと言わざるをえない。少なくとも、現状の防衛庁に無駄な予算は一文も無い。MDをやめたところで、敵基地攻撃能力以上に大きな問題というのは数多くある。

このような中で、敵基地攻撃論を論じるというのは、かなり限定された議論をせざるをえない。つまり、いかにアメリカを巻き込むかという議論か、もしくは最小の爆撃能力で北朝鮮に脅威を与えられるかという議論である。私は、後者については、そもそもミサイル基地にはほとんど脅威は与えられない以上難しいと考える。前者については、まだ検討の余地があるかもしれない。ただ、現状維持でも例えば、アメリカ空軍と共に爆撃行程に臨む事は出来るし、その意味では積極的に攻撃能力を整備する必要性は薄いように考えられる。微妙なところではあると思うが…

考えられる日本有事の形態(土佐高知氏との議論)

最初に

さて、土佐高知氏への回答である。今回は「日本有事」と国民保護条例というエントリへの回答という形になる。

さて、まず土佐高知氏は主に在日米軍への攻撃を以っての開戦という形を想定されているようである。確かに、日米安保が存在し、在日米軍が存在する以上、日本が直接的に巻き込まれる有事というのにはアメリカがほぼ間違いなく関わるである事は間違い無い。しかしながら、それが一義的に米軍の軍事行動によってのみ引き起こされるかは疑問が残るかは疑問である。

仮に、アメリカが北朝鮮への直接的な制裁に及んだ際には、確かに米軍の行動により在日米軍が攻撃され、またそれを支援する自衛隊、また日本政府、市民社会が攻撃されるというのは十分に考えられる想定である。それ自身は私も否定しない。しかしながら、それ以外にも考えられうる想定は存在するし、またアメリカとの同盟無しに日本が生きる道は基本的にないと私は考える。しかし、これについては話がずれるので取り敢えず横に置こう。

ここで、私も土佐高知氏に倣って考えられる想定のスペクトラムを考えてみる。

第一のスペクトラム-北朝鮮のミサイルとゲリコマ

まず、弱い方からであるが、これは土佐高知氏の想定するような北朝鮮の攻撃である。これは、明らかに弱い。弾道ミサイルについてはこれがNBC兵器を搭載していない限り大きな被害は生まれないし、ゲリラ、コマンドゥの脅威がある程度である。その意味では土佐高知氏の指摘の通り戦争は早期に終結する可能性が高い。

しかしながら、彼らがNBC弾頭を装備しないとは限らないし、またゲリラ、コマンドゥの脅威と一言で言ったそれは、実はかなり大きな脅威である。これは、私が安易な北朝鮮攻撃論を論じる方に呈した過去の議論でも論じてきた事である。例えばNBC弾頭の場合は大きな破壊と死傷者が生まれる事は間違い無いし(とはいえ、これはアメリカの大量報復戦略の提起により古典的な抑止が出来るかもしれない、また北朝鮮が核弾頭を搭載出来る段階に至っているかは微妙なところである)、またゲリラ、コマンドゥであっても、例えば地下鉄や繁華街でのBC兵器や爆弾による攻撃や、もっと古典的にはライフラインの破壊というサボタージュ行為(レンチと少々のC4爆薬があれば首都圏大停電は造作もない仕事である)、一部地域でのゲリラ戦等は十分に想定出来る話である。これらの事態に際しては、国民の避難保護、また各種インフラ(病院等)の動員、徴発、自衛隊の速やかな展開が望まれるであろう。

さらに言えば、これもまた安易な攻撃論を論じる方に論じたのと同じ論旨であるが、北朝鮮のミサイル基地は地下化されており、ミサイルも移動可能なTEL車両により発射されるものである。つまり、攻撃目標の評定も効果的な攻撃も米軍ですら困難であるのが事実なのである。ここで、現状で北朝鮮のミサイルが100発単位での配備がされていると言われている以上、これの多くが日本に向け投入される可能性は十分にありうる。つまり、数発なんていう単位の話ではない。

もちろん、私はこれで安易な攻撃論を持ち上げるつもりはない。なんにせよ、これを無力化するにはいくら予算があっても足りないのが正直なところである。しかし、厳然としてこのような脅威は存在する。このような中でこれに対処する為の措置は必要であると私は考える。

第二のスペクトラム-限定的な着上陸侵攻

その次に考えられるスペクトラムは、土佐高知氏が否定した軽戦力(空挺、ヘリボン等の空中機動戦力または限定的な着上陸)による攻撃である。確かに、ほぼ間違いなく日米同盟の発動によりアメリカの自動的な参戦が約束されている日本に対してこの程度の攻撃をする事は無茶なように見える。しかし、本当にそうであろうか。

確かに、今の日米関係は蜜月と言われている。しかし、これは永久には続かないし、また近い将来にこれが急速に冷え込む可能性は否定出来ない。また、相手がアメリカの権益、利害を害さない形で侵攻を行い、かつ何かしらの密約が取り交わされているという可能性すら全く荒唐無稽な話というわけではないだろう。

例えば、現在、日本は周辺国と竹島、尖閣諸島、北方領土と多くの領土係争を抱えている。ここで、これらが原因となり武力による対立が発生し攻撃に至るというのは十分に想定出来るのではないだろうか。この際には限定的な領土の取り合いになるのだから、大規模な戦力を用いない形での侵攻というのは十分に考えられる。たとえば、尖閣諸島の攻略であれば九州北部~西部や沖縄に対して限定的な侵攻を行う理由は十分に発生する。

未来のifの話は非常に難しいが、全くあり得ないというのは楽観的に過ぎるだろう。もちろん、ここで我々が彼らの意図を呑む事で戦争は回避できるかもしれないが、相手がさらに大きな対価を求めて来た場合はどうだろうか。確かに、無限の譲歩をすれば戦争にはならないが、しかし無限の譲歩は不可能であるし、逆にデッドラインを定めればそこで戦争が起きる。

第三のスペクトラム-核抑止下での本格的な着上陸侵攻

自衛隊が最も怖れるであろう侵攻形態が大規模な本格的着上陸侵攻である。また、私が一番に重視しているのもこれである。なお、ここでは核抑止下であると想定する。

もちろん、これが今すぐに行われるとは私も言わない。しかしながら、中国は現在鋭意軍備を増強中であるし、ロシアも近年の経済的な復興が軍の近代化を進めており、ヨーロッパ正面の軍は未だに強大である。また、いずれ統一するであろう朝鮮半島は今現在数百万単位の兵力を集結させており、韓国は造船大国である。

仮に、数十年後アメリカが中東に大規模な兵力を展開せざるをえない状況の中で、太平洋へのアクセスを獲得するために日本を攻略したいと考えるというのは全く荒唐無稽な話とは言えない。この中で当然相手方も速やかな攻略を望むであろうし、長期にわたる空爆と封鎖ではこれを為しえない。それは重要な地域の速やかな占領によって為しえるものである。戦史で例示するならば、第二次世界大戦初期のドイツのポーランド侵攻やフランス侵攻に見られるものである。もちろん、それより前の普仏戦争でもこれは例示出来る。

土佐高知氏の危惧するように、当然にこの際に巡航ミサイル等のスタンドオフ火力は投入される。しかしながら、これはまず第一に軍事目標を狙うであろう。市街地を狙うのは明らかに非効率的であり、なんといってもバトル・オブ・ブリテンでドイツが敗北した理由はこれに帰するのであるから、正常な作戦的思考をするのであるならば、あたう火力は基地、レーダーサイト、駐屯地、補給処、空港、港湾、橋梁、道路、鉄道網といった物にそそぎこむはずである。つまり、直接的に市民が東京大空襲のような目にあうとは考え難い。相手が早期の決戦を望む限りは太平洋戦争のような事態は起きづらいのである。

伝統的に軍の目標は軍である。確かに総力戦の時代にあっては民間も目標となりえたが、しかし、それでもまず軍は真っ先に敵軍を攻撃した。それは、それが最も効果的な打撃であったからに他ならない。クラウゼヴィッツの指摘の通り、相手の抵抗力を奪う事が戦いの目標である。ここで、国民そのものは抵抗力の源泉であるが、しかし現存する抵抗力を排除することがまず第一の問題になるのが通常であろう。

第四のスペクトラム-核戦争

全面核戦争が生起すれば、それこそ日本の生存どころか人類の生存に関わる。その意味では専らこれは核保有国間の核戦略の問題になる。しかし、限定核戦争等の場合を想起すれば、たとえ敗北するにしても、国民保護をするというのは人道的な措置ではないだろうか。

抑止すること、備えること

と、一連の考えられうる想定を列挙したわけだが、たしかにこれらの事態は望ましい事態とは言えない。しかし、武力による脅威を目の前にして永久に譲歩し続ける事は不可能である。戦いとは防衛側が相手の意図を拒否するがゆえに発生するものであり、我々が相手の意図を拒否する場合があると考える限りにおいて、戦いはつねに発生する可能性を秘めている。もし私が周辺国の人間であれば、暴力用いてでも強要したい意志を持つであろうし、恐らく我々だって相手が脅しに屈するならばいくらでも脅す。

このような中で戦わずに済ます為にはどうすべきか。第一には相手の言うことに屈すること。第二には相手が暴力を用いても目的が達せられないと思わせる事である。

もし、後者の手段を取るのであれば、適切な防衛力を保持し、これを効果的に運用出来る体制を整える事が重要である。当然、国民保護条例もその中に入る問題であろう。そして、同時にこのような抑止を行うためには本気で戦う覚悟をしてその想定をするという担保を必要とするのである。


今までの経緯

  1. 土佐高知の雑記帳-国民保護条例を嗤う
  2. 当ブログ-国民保護法制と本土決戦
  3. 土佐高知の雑記帳-ふたたび国民保護条例について
  4. 当ブログ-戦略攻撃の問題と日本の防衛
  5. 土佐高知の雑記帳-「日本有事」と国民保護条例

しかし、どっかのだれかと違って真っ当に議論出来てるのが嬉しいしありがたい(笑)

憂国、喝!のだいちさんには嫌われちゃったなぁ

というわけで、論争をしていた(私がそのつもりだっただけなのかもしれないが)憂国、喝!のだいち氏であるが、どうにも私は嫌われてしまったようである。ここで、向こうに長々とコメントをつけるのも、議論を整理するには向いていないし、またウロチョロするなと言われてしまったので自分のブログのエントリとしてこの問題について書いてみる。

詳しいことは憂国、喝!さんのところの一連のコメントを参照されたい。また以前の経緯は時系列で並べると

  1. 憂国、喝!-自衛隊は国(国民)を護るために存在する
  2. 憂国、喝!-- 優秀な戦闘機達 -
  3. 当ブログ-渡洋爆撃は不可能ではないけど…
  4. 憂国、喝!-不毛な論争をするつもりはない
  5. 当ブログ-精神論で勝てれば誰も苦労しない
  6. 当ブログ-トマホークや空爆は現実的ではない(「この国は少し変だ!よ~めんのブログ」さんと「憂国、喝!」さんへ)
となる。

基本的に、私はだいち氏の「心」そのものを否定する気は全くない。むしろ、国防が重要であり、我々はこの日本国が他国からの侵略を受けないように適切な防衛力を構築しこれに対応しなければならないという部分は恐らく共通の目的を持つはずである。しかしながら、だからこそ私は荒唐無稽な事や事実に反すること、または自分の考えと違う事に対しては公然と異論を申しあげる。仮に間違った軍事的な目算の下に軍事行動を起こせば良くない事態に陥るであろうことは、日本の歴史が証明している通りのはずである。

また、私は日本版ポリティカルコンパス然り、他の判断でも左派に分類される人間ではある。そこもだいち氏の気に食わない点であるとも思える。しかし、それは単純に愛国でも憂国でも、または反日でも共産主義でも、少なくとも、それを言論という場において論じるのであれば、その論じるという行為は否定してはならないし、また個人がそのような考えを持つ事そのものは自由であると信じるから以上の意味は無い。それは他の問題についても同様であり、その他の様々な問題についても、基本的には自由であるべきだと思う以上の意味は無い。決して私は伝統が嫌いなわけではない。個人としては伝統を重んじる方が良いと思う事すら多々ある。しかし、伝統を重視しない(犯罪になったり迷惑をかけない範囲でだが)自由もあるはずであると考えるだけなのである。しかし、自由を語りだすとミルからバーリンにまで論じなければならないような感じになってくるので、それは面倒だし(そもそも私はミルもバーリンも読んでいない)、また本題からそれるのでこれくらいにしよう。それに私は自由と社会問題の関連については詳しくない以上、これについてだいち氏に文句をつける気はさらさら無い。つまり、あくまでこのパラグラフは立場の表明以上の意味は無い。

さて、また、恐らく私の書いたこのエントリについてだと思うが、もはや語りえないとだいち氏は言う。しかし、私はそのような事はないと考える。例えば、カレーが好きか嫌いか、という問題は、恐らく語りえない。やったところで、永久に水掛け論に終始すると思われる。しかし、カレーに含まれる唐辛子のカプサイシンが新陳代謝を促し、ターメリックが肝臓の機能を活性化させる故にアルコールを呑んだあとに良い(ちなみに今思いついただけなので本当に効果はあるかは不明)といった議論は成立する。その意味では少なくとも、北朝鮮のミサイル発射を受けて、これに対してどうにかしなければならない、という問題の軍事的側面というのは、十分に語りえる事実に即した問題ではないだろうか。

また、私はだいち氏と友好的な交流を望んでいる。同じブロガーとして政治的な思想の違いを乗り越えて交流する事は決して悪くはないと思う。実際、私は方々のブログに、右派、左派を問わず(とはいえ、ブログの絶対数もランキングの上位も右派が優勢なので必然的に右派のブログが多くなるのだが)、違うと思う事には異論を論じてきたし、またその中で政治的な立場の違いを乗り越えて、友好的に、かつ熱く議論をしてきた。また、自分で言うのはおこがましいが、私は多くの人よりも軍事についての識見を有している以上、少なくとも軍事について議論をしても損ではないと思われる。私は是非議論に復帰してほしい。自らが正しいと思うならば私を納得させてみてほしい。自らの議論が間違っていると思えば考えを改める程度の了見は私も持っている。事実、何度も考えを改めてきたし、また北朝鮮へ攻撃するか否かという問題については、今まさに、どちらが望ましいか、程度はどのくらいがいいか、私は非常に悩んでいるのである。

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第二次世界大戦におけるドイツ軍とフランス軍、そして情報化の価値

というわけで、MC☆あくしず Vol.1に連載している「萌えよ!戦車学校」でフランス軍の作戦について書いてあった。そこで、今日は第二次世界大戦における防御について考えてみようと思う。

さて、第二次世界大戦の初期においてフランス軍はドイツ軍にコテンパンに叩きのめされたと戦史を読めば書いてある。なぜかと言えば、第一次世界大戦的な硬直した防御重視の作戦思想の為にドイツ軍のテンポの速い電撃戦に主導権を握られて敗北したというのが教科書的な回答であろう。しかし、以前、防御について書いたこれのような考え方は基本的には第一次世界大戦時も通用したものであり(まただからこそ戦線が膠着した)、その意味ではフランス軍は防衛線を保持し危機に陥った地点に予備隊を投入するという方式を知っていたはずである。実際、第二次世界大戦におけるフランス軍は戦線の構築と突破してくるドイツ軍に対してDCR(装甲予備師団)を用いるという作戦を立てていた。

ではなぜフランス軍は敗北したのか。まず、独仏国境に建設した要塞線であるマジノ線建設に予算と兵力がとられて防御をする戦線の厚みを削いでしまい実質単線防御となり突破を容易にしてしまったこと。また、峻険な森林地帯であり戦車を含む大部隊は通過不能と思われていたアルデンヌ高原をドイツ軍が通過して攻撃をしたことによる奇襲効果があったこと。そして、混乱によって適切な予備隊の投入が出来なかった事等、理由はいくつか考えられる。

翻ってみてドイツ軍であるが、第二次世界大戦では最終的にドイツ軍も負けているという事を忘れてはならないだろう。特にクルスク戦以降のドイツ軍はソ連軍の攻勢に対して何度も突破され包囲され兵力を削がれていったという事実がある。さてこのような中でドイツ軍は機動防御という戦術を用いていたわけであるが、これも基本的には前述のフランス軍の作戦思想と大きな違いはない。もちろん、第二次世界大戦初期にコテンパンに叩きのめされたフランス軍とは誘致導入や予備隊の投入のタイミング等の巧拙に大きな違いはあるが、防御線を構築し敵主力を予備隊で叩くという意味では同様の思考の延長線上にある。

しかし、何度も言うがドイツは敗北した。これも基本的にはフランスの敗北の理由と大きくは変わらない。兵力不足による戦線の薄弱化、予備隊の減少、ソ連軍の同時突破による混乱といったのが原因である。

防御は突破され蹂躙され混乱に陥ると適切な予備隊の投入も出来なくなり、敗北する。これはドイツもフランスも同じであった。では、これをいかに回避するのか。少ない兵力でも最大限の効率で運用し強大な攻撃側をいかに食い止めるのか。もちろん兵力の限界はあるにしても、効率の向上はより戦術の柔軟性を与えるはずだ。

これに対する現代的な回答を加えるとC4ISRという概念が出てくる。C4ISRとは指揮、統制、通信、コンピュータ、情報、監視、偵察の統合概念であり、平たく言えば軍事における情報化を意味する。つまり、上述のドイツ軍、フランス軍の失敗の大きな原因が指揮統制の混乱であるとすれば、これをコンピュータの力を借りて強化すれば問題の一部は解決しうると考えられるのだ。もちろん、これが絶対的兵力の不足を解決することはない。しかし軍隊が組織的な行動をする担保が指揮統制の機能に求められるとすれば、これの強化はより粘り強く戦うには必要な要素だと考えられる。

一応付記するが、これをRMA(軍事における革命)ともてはやす向きもあるが、単なる効率化では決定的な革命とは言いがたいと考える。これについては、もっとドラスティックで革命的な物を意味するはずであり、それはこのような単なる効率化ではないと私は考えている。

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トマホークや空爆は現実的ではない

とりえあず、今回のエントリは当初憂国、喝!さんと、この国は少し変だ!よ~めんのブログに宛ててであったが他にも同様の見解の方が多いのでそれらの方に向けてというのも含めて考えてみたい。

さて、やれF-15Eを調達せよとか、空爆は可能であるとか、トマホークのような巡航ミサイルを整備せよという勇ましい意見が多い中、やはり私はこれに対して疑問を感じる。一応断っておくが、憲法上とか平和主義の観点からではないのであしからず。

まず、問題はいくつかあるので簡単に整理してみる。まず第一に空爆や巡航ミサイルの効果という問題、第二にそんな能力があるのかという問題、第三に無かったとしてそれを整備するコストはどうなのかという問題である。

では第一の問題である。一言で言えば空爆や巡航ミサイルで決定的な打撃を与えることは非常に困難であると言わねばならない。これは単純な理屈で、地下化と植生により隠掩蔽された目標を打撃する事が非常に困難であること、また固定式のランチャーは単純に見せ札でしかなく実際は移動式のランチャーつまり、TEL車両でミサイルを発射するであろうし、これを捕捉する事は困難であるからである。これは湾岸戦争でもコソヴォでも証明済の問題であり、いくらピンポイント爆撃やスマート爆弾といっても、あくまでそれは誘導が精密である以上の意味は無く、そもそも目標の評定が出来なければ意味がない。コソヴォでハイテク兵器が中国大使館を誤爆したというのは評定の失敗に他ならない。スパイ衛星で探知すれば良いと言われるかもしれないが、それで全て見つけられるようであれば誰も苦労はしない。もしそれが出来たならば、コソヴォでの失敗が説明出来ないであろう。

さて、第二の問題であるが、基本的に現在の空自には北朝鮮を爆撃する能力はほとんど無いと言わざるを得ない。確かに、F-2やF-15を装備し、かつ空中給油機の調達や空中給油訓練を行っているというのは事実ではある。その意味では一見、爆撃は出来ないことも無いように見えるだろう。しかしながら、SEAD機(敵の防空を沈黙させる機体)の無い、つまりワイルドウィーゼル部隊が無いのに敵の領空に部隊を投入するというのは、いくら北朝鮮相手とはいえ自殺的な行為である。さらにF-15は200機あるとはいえ、実際に前線に出せるMISP済の機体は100機程度しかないというのも忘れてはならないだろう。また、最悪、そこを米軍が補完してくれたとしても、投下できる爆弾やミサイルの数が少なすぎて話にならないというのが実際のところである。第二次世界大戦の東京大空襲やドレスデン爆撃並の事をすれば不可能ではないかもしれないが、空自にはどう逆立ちしてもそんな能力は存在しない。つまり、北朝鮮への爆撃は可能か不可能かでいえば可能ではあるが、現実的に意味があるかといえば政治的なパフォーマンス以上の意味は無いと言わざるをえない。巡航ミサイルも然りで本気で効果的な攻撃をするのであれば百発とか千発とかなんてセコいことを言わずに、一万発以上の巡航ミサイルを持ち、毎日百発のオーダーで投入しなければならない。確かにトマホークは精密射撃が可能かもしれないが、たかだか1000ポンドの弾頭重量しかない事を忘れてはならないだろう。鉄量で換算すればB-52であれば7万ポンドを運ぶ事が可能であり、B-1Bならば13万ポンドを運ぶ事が出来るわけだが、このぐらいないと話にならないというのが実際のところなのである。このような中で効果のある攻撃をトマホークで行うことがコスト的にペイするとは考えられない。

ここで第三の問題である。無ければ整備せよと言われるかもしれないが、これが難しい。前述のとおり、実際に第一線で運用可能なMISP済のF-15は100機程度しかない。だとすると圧倒的な要撃機の不足という問題が出てくる。このような中で巡航ミサイルや攻撃機、戦闘爆撃機等を半端に整備したところで何に使うのかというのは正直な疑問である。空自の中の人も正直、半端に攻撃機より新しい要撃機をなんとかしてくれという方が切実な問題であると聞き及ぶ。陸も海も同様に整備しなければならない装備や、人員の少なさといったところで青息吐息であるのが実情である。このような中では無駄な予算は一文たりとも使えない。もっと言ってしまえば、威勢の良い精神論で真に有効な防衛力整備をないがしろにするのはむしろ反日的な行為ではないだろうか? 自称愛国者の方よ。

さて、大きな三つの問題を明らかにしたが、このような中で攻撃能力を保有すべきという議論をする人がいかなる理由をもってなのかがよくわからないというのが事実である。せいぜい、限定的な抑止や、攻撃によりアメリカを巻き込む為という議論ならばまだ理解できる程度である(冷戦期フランスの核戦略と同じ理屈である)。そのような意味では国家戦略から個別の戦術に至るまで一貫した理屈を知りたいというのが本音である。このような攻撃能力の保有とは反面、セキュリティジレンマを産みだし軍拡競争を加速させるというリスクすら孕んでいるのである。


ちなみに、上院でF-22を輸出するかで大揉めの中で、ロッキードがF-15Eはいかぁっすかー と、営業をしていると話を聞くがどうなのだろうか。


あと、憂国、喝!さんは靖国神社にA級戦犯は祀られていないというエントリで以下のように書かれているが、いつご回答願えるのだろうか。

最後に、なにを誤解しているかは分からないが、私の記事に対して熱くなっている方や、私に答えて欲しいと思っている方がいるようなので、もう少し北朝鮮ミサイル問題については綴って参りたいと思う。

靖国神社にA級戦犯は祀られていないより

回答を強要するわけではないが、軍事について語るならばそれなりの覚悟はされていたのだろう。それを見せてもらいたい。これは、よ~めん氏に対しても同様である。


他のところにもTB打ってみたり。その意味では、特に誰向けというわけでもなくなりつつあるか。これに伴ってタイトルと本文一部を変更。2006-08-04

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